遊びきる経験から得たもの

子育ての土壌づくり

「もう帰るよ」

「やだ!まだ遊びたい!」

このような会話をされたことがあるご家族は多いと思います。我が家も何度このやりとりをしたことでしょうか。でもある時ふと「どこまで遊んだら子供は満足するか」試したくなり、子供が遊びきった!もう疲れた!というまで遊ばせてみることにしました。

一緒に遊んでいたお友達のご家族も付き合ってくれることになり、結局その日は学校が終わってから4時間近く遊びました。その時の子供達の満足げな顔を見て、こんな時間が週に一回くらいあってもいいのではと思い、毎週一度は疲れてくたくたになるまで遊びきる日を作ることにしました。

時には何もない原っぱのような場所で、時にはアスレチックのような場所で、走り回ったり木に登ったり追いかけっこをしたり、虫を捕まえたりと、たくさんのお友達と顔も洋服も泥だらけにしながら遊んでいました。いつの頃からかその時初めて出会った子供達とも仲良く遊ぶことが増え、人と関わりあう力、何もなくても自分で遊びを考える力が身に付いたように思います。

またある時はザリガニ釣りにはまり、毎週遊んでいるお友達がそれぞれ家から必要なものを持参することになりました。誰が何を持ってくるか役割分担を決め、何が釣れたかを記録し、種類を調べ…とさながらフィールドワークのようなことを自然としだし、大人が介入しなくても自然と子供達は好奇心に従って学び始めることに感動したことを今でも覚えています。

ザリガニだけでなく、その好奇心は昆虫にも広がり、都心のお世辞にも自然豊かとは言えない環境でしたが、限られた中で生き物たちを見つけ、観察する力も育んだように思います。

遊びきる経験は、子供達に幸福な思い出を与えてくれました。また創意工夫する力、コミュニケーション能力、問題解決能力も身に付き、遊びと学びの境界線もなくしてくれました。また自己決定能力、そして主体性も身に着けることができたと思います。こうして書いていると自由に遊ばせることがどれだけ大事か改めて気が付きました。

私自身は毎日習い事で埋め尽くされているような小学生時代を過ごしてきましたが、もしわが子のように遊びきる経験をしていたらどんな人生になっていたのだろうか、と思うことが時々あります。

言われたことをこなすことも大切ですが、それと同じくらい子供時代にしかできない遊びきるという体験も子供にとっては大切だと思います。習い事や勉強で埋め尽くさなくても、子供は遊びながらたくさんのことを学んでいるし、何よりこの幸福な思い出がきっとこれから先の人生を支えてくれると信じています。

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